〔当院の設立、沿革〕
松井病院のある香川県観音寺市は大平首相の出身地であり、大平首相の田園都市構想に共鳴して作った病院です。さらに、大平首相の尽力で出来た瀬戸大橋の完成に合わせ設立したのが松井脳神経外科病院でした。
新幹線の主要駅で、すべての列車が止まる岡山駅から約1時間の距離である観音寺市であれば、新大阪から交通渋滞のある大阪市内をぬけてゆく大阪市の南部とほぼ同じ条件だろうと考えました。
大平首相には公私共にいろいろお世話をいただきましたので、田園都市構想のモデル地区で医療の新しい分野を担うことを目標に、香川県から脳卒中死やムチウチなどによる不定愁訴、さらに、認知症、寝たきりをなくすというスローガンを掲げて新病院を1988年の瀬戸大橋完成と同時にスタートさせました。
義父が経営していた深田病院の面倒を見てほしいという依頼がありましたことを併せて考え、観音寺市に病院をつくりました。
私の生れたところは香川県でも瀬戸大橋の袂に近い丸亀市中津で代々庄屋をしていた古い家です。中津は金倉川の河口で大昔から瀬戸内海の船の風待ちの港でした。金倉川の最上流は弘法大師が作った(改修)満濃池があり、満濃村の庄屋に生まれたのが智将として有名な西鉄ライオンズの三原脩監督です。金倉川中流の善通寺の名家佐伯家で生まれたのが弘法大師で弘法大師の像と三原監督と私の祖父の頭蓋骨の形が非常によく似ていて前頭部から頭頂・側頭にかけてほぼ同じと言えるほど似ていました。私の専門は脳神経外科で沢山の頭蓋骨をみて来ましたので大変興味を持ってきました。中津は万葉の時代に、柿本人麻呂が訪れて中津(中の港)を出港して、瀬戸大橋の下にある沙弥島に着いたとき、水死人が水面に浮かんでいるのを見て、これを哀れんでよんだ長恨歌は教科書にもよく採用されている有名な歌です。病院を作るとき、丸亀市周辺にしようと考えましたが、その後、義父・深田忠夫先生が亡くなり、深田病院(99床)を吸収して149床の松井病院となりました。深田忠夫先生は慶応大学医学部出身で地域医療に大変熱心で、産業医でもこの地域のパイオニアでした。旧深田病院の99床は主として慢性期医療のベッドとして、急性期から慢性期に至る出来るだけ幅広く、地域に住んでおられるみなさんのニーズにお応えできるよう頑張っております。
その後、地元のベッドが469床空いていることがわかり、香川県が観音寺、三豊地区の医療機関に増床の希望を募ったところ、希望する医療機関が多く1000床近くの希望があり県が調整ができない状態になったため、依頼によって私が中心となり増床希望の病院の代表全員に観音寺グランドホテルに集まってもらって、十分な議論を尽くして全員一致で病床配分を決めることができました。松井病院は104床増床ということになり、トータル253床になりました。
県外の有名な病院もこの地区への進出を計画していましたが、我々の病床分配の打合せの会とその決定が少し早かったために、この地区への進出はありませんでした。
1999年に老人保健施設(80床)観音寺ケアセンターを併設し、2006年にこれが100床となりました。また、2006年に東京で頚筋症の患者さんを診るセンターとして東京脳神経センターを開設しました。2009年には法人名をブルースカイとして現在に至っております。
〔松井病院はドクターが働きやすい環境を設定した病院〕
どこの病院のドクターも同じだと思いますが、毎日多忙の中で一人一人の患者さんに親身になって病気そのものや、生活について考えてあげなければいけません。どうしても働きすぎになりがちです。特に重症の患者をみている時は、自分の事よりも患者さんが優先されます。病院の中でON-OFFを明確にして、少しの時間でも休めるときは誰にもわずらわされずに休憩がとれる場所が必要です。そのことを考えて、ドクター全員に広くはありませんが個室を提供しております。当院のドクターは、十分に自覚のあるドクターばかりですから休みすぎることはありません。ドクターが疲れすぎず、少しの時間でも休みをとってリフレッシュした状態で患者さんの診療にあたり、患者さんに第一のやさしい診療ができるよう配慮した病院です。
〔リハビリを重要視した病院〕
私は脳神経外科医です。脳神経外科では脳卒中の手術をして、手術がうまくいっても片麻痺が出ることが多いのです。私は患者さんの治療にあたって脳神経外科の手術が半分で、あとの残りはリハビリというほど、リハビリを重要視しています。病院の中で最も良い場所をリハビリテーションにあてて、麻痺に苦しんでいる患者さんが、外の春夏秋冬に変化する景色を眺めながら、麻痺を克服してゆけるように配慮しています。視察に訪れた役人も他の病院の方に、松井病院のリハビリを見てきたらいいと勧められるほどです。
〔入院患者さんの食事にも配慮を尽くしています〕
脳神経外科を中心に、神経疾患の患者さんが多いので病院食は青魚をメインとした献立になっています。毎日、昼と夜のメニューは、近海でとれたアジ、サバ、イワシを中心にサンマも加えてこれらの魚のローテーション中心に、DHAやEPAを十分に摂取できるよう考慮しています。数年前に全国でもめずらしいということでNHKで全国に放送されたこともあります。東京やその近郊から入院している患者さんも多いのですが、当初、魚に馴染めなかった患者さんが退院時には、家に帰って魚料理を中心にしようという人も増えています。
また、全国から、いや全世界から首の筋肉の異常で重症の「頚性神経筋症候群(頚筋症)」の患者さんも多く入院しています。この病気は頭部外傷やムチウチなど外傷による場合と、スマホやパソコンの使いすぎなどで首の筋肉疲労変性により、副交感神経の異常症状が全身に出る病気です。頭痛、めまいや原因不明の全身倦怠、疲れ、さらにうつ症状が出現し、重症になると全員が自殺指向となる恐ろしい病気です。食道や胃や腸など消化器を働かす神経が迷走神経という副交感神経です。「頚筋症」の患者さんの多くは食欲不振や吐き気、胃部不快感の症状があり、食事の問題が多いのですが、患者さん用のお米も出来るだけおいしく食べられるものや「こしひかり」またはそれに類する良い品質のものを出して、出来るだけ食べてもらえるようにしています。病院の収益は減りますができる範囲内で患者さん本位の経営を目指しています。
〔画像診断装置も出来るだけ患者さんのためになるものを導入〕
私が、現在、画像診断では世界で最も長い経験を持っていますので、画像診断の面でも世界最先端の装置を入れて、脳も、心臓も1秒、全身でも数秒で検査できる装置を導入して、患者さんのニーズに出来るだけお応えしようとしています。
画像診断装置を地域医療の資産として、この地域の他の医療機関の先生方にも自由に使っていただけるように、職員一同に周知しています。
わたしたち松井病院は、これまでも、そしてこれから先も、患者様にとって必要な医療は何であるかを考え実行していく病院の姿勢をまっとうしたいと考えています。
松井病院 理事長
松井 孝嘉
東京脳神経センター 理事長
脳神経外科専門医
・東京大学医学部 卒業 医学博士
・大阪医科大学 助教授
・帝京大学 客員教授
・松井病院 理事長・院長
・日本脳神経外科学会 専門医・評議員
・日本脳卒中学会 専門医・評議員
・東京女子医科大学 講師(非常勤)
・大阪医科大学(非常勤)
・愛媛大学(非常勤)
・日本脳神経CI学会 事務局長、第28回会長
・日本病院脳神経外科学会 事務局長、常任理事、第8回会長
・CT SCAN 診断の為の脳解剖図譜 医学書院
・AN ATLAS OF THE HUMAN BRAIN FOR COMPUTERIZED TOMOGRAPHY
( IGAKUSHOIN,ニューヨーク )この本は医学書で初めての出版文化大賞・外務大臣賞受賞
・AN ATLAS OF THE HUMAN BRAIN FOR COMPUTERIZED TOMOGRAPHY
(ドイツ・シュタットガルト・GUSTAV -FISHER VERLAG 社)
・ATLAS OF STEREOSCOPIC NEURORADIOLOGY
(東京大学出版会、UNIVERSITY OF TOKYO PRESS)
・COLOR ATLAS OF PATHOLOGY OF THE NERVOUS SYSTEM
(IGAKUSHOIN, ニューヨーク )
・ATLAS D'ANATOMIE PATHOLOGIQUE DU SYSTEME NERVEUX
(フランス・パリ・NEDECINE ET SCIENCES)
・カラーアトラス神経病理(医学書院)
・中枢神経系のCT診断(医学書院)
・脳の画像診断(秀潤社)
2005年 『脳解明こそ我が使命』(悠飛社)
2007年 『首を治せば病気が消える』(ワニブックス)
2008年 『首をチェックして原因不明の頭痛、不調を治す』(講談社)
2009年 『慢性疲労は首で治せる!』(角川書店)
2009年 『新型うつ原因は首にあった!』(大和書房)
2009年 『図解どこに行っても治らなかった病気が首で治せる』(PHP研究所)
2010年 『パソコン疲れは首で治せる!』(アスキー新書)
2010年 『首を温めると体調がよくなる』(アスコム)
2010年 『体調不良 慢性疲労は首で治る』(永岡書店)
2010年 『女性のつらい症状は首で治る』(法研)
2011年 『うつ頭痛めまい不定愁訴首こりをとれば90%以上完治する』(小学館)
2011年 『体の病気も心の病気も首で治る』(サンマーク出版)
2011年 『首のこりをほぐして万病を治す!』(洋泉社)
2011年 『首こりは万病のもと』(幻冬舎)
2012年 『1日5分副交感神経アップで幸せになれる』(朝日新聞出版)
2012年 『1日5分副交感神経アップで健康になれる!』(朝日新聞出版)
2013年 『首こりを治せば10歳若返る』(KKベストセラーズ)
2013年 『首を温めれば健康になる』(アスコム)
2013年 『松井博士式 首こり解消体操』(宝島社)
2013年 『首こり・体調不良に効くかんたん体操』(洋泉社)
2014年 『ドクタークロワッサン あらゆる不調はクビで治る』(マガジンハウス)
2014年 『頚部放髪自療力』(中国語版)
2015年 『首は絶対にもんではいけない』(講談社)
2016年 『スマホ首が自律神経を壊す』(祥伝社)
2017年 『スマホ首病が日本を滅ぼす』(ワニブックス)
2018年 『自律神経を整える 上を向くだけ健康法』(朝日新聞出版)
・国際医学誌「Computerized Tomography」
(イギリス・オックスフォード・Pergamon Press) 編集委員
・医学雑誌「CI研究」 編集委員
・アメリカ脳神経外科学会 Congress of Neurosurgeonsの機関誌「NEUROSURGERY」
(アメリカ・Williams&Wilkins) 編集委員
・医学誌「画像診断」(東京・秀潤社) 編集委員
・医学誌「脳腫瘍病理」 編集委員
・日本脳神経財団 理事
・アメリカ Congress of Neurosurgeons Active member
・アメリカ American Association of Neuropathologists Active member
・日本脳神経外科学会 評議員
・日本脳卒中学会 評議委員
・日本脳神経CI学会 世話人
・日本神経病理学会 正会員
・日本臨床脳神経外科協会 常任理事
・日本脳腫瘍病理学会 世話人
・International Congress of Neurosurgeons Active member
・International Society of Neuropathologists Active member
松井孝嘉理事長は画像診断を世界で最も早くはじめたドクターの1人であり、CTスキャナーの日本への紹介・導入・普及を、日本人として最も尽力し、日本のCTスキャナー普及率を世界トップレベルにした第一の功労者である。これにより、それまで日本人の死因第一位だった脳卒中死の激減に大きく貢献した。
このことは、松井孝嘉理事長が最も誇りにしている。
また、デッドボールの実験をし、耳付野球ヘルメットを研究して、この実験が基で、日本の工業基準を定め、毎年数人の死亡者を出していたデッドボール死を皆無にした。このとき、巨人軍の川上監督のV8・V9の頃で、王選手もボールを投げて、この実験に協力した。
著書「An Atlas of the Human Brain for Computerized Tomography」が世界中でベストセラーになり、医学書で初めての国際出版文化賞を受賞した。
頚性神経筋症候群(Cervical Neuro Muscular Syndrome)を40年以上前に発見しその後、試行錯誤を繰り返しやっと完成させて驚異的治療実績をあげている。